未来への遺産
~ Legacy for the Future~
【はじめに】
東京オリンピックが開催され、高度経済成長の渦中であった1964年、逗子葉山青年会議所の前身である逗子青年会議所が誕生しました。そして、2024年、逗子葉山青年会議所は、創立60周年の節目を迎えます。60年もの歴史を積み重ねることができたのは、逗子・葉山のまちと青年会議所を愛するOB諸兄と現役メンバーの努力、そして地域の皆様からのご支援の賜物に他なりません。
これまでに培ってきた60年のレガシーを、未来の逗子・葉山とLOMへ伝えるため、本年度の逗子葉山青年会議所は、「未来への遺産~Legacy for the Future~」をスローガンに、「未来に向けた魅力あふれるまちづくり」「未来に向けた持続可能な組織づくり」を基本理念として、一年間活動してまいります。
【未来に向けた魅力あふれるまちづくり】
美しい海と豊富な緑に囲まれながら、首都圏とのアクセスが良好である逗子・葉山は、全国でも有数の魅力的な街として認知され、毎年多くの旅行者が訪れるとともに、その恵まれた住環境に魅力を感じて逗子・葉山に移り住むことを選ぶ転入者も少なくありません。その一方で、今後も継続的な人口減少が予想され、将来の過疎化への対応が問題となっています。人口減少の要因の一つとして、就職や結婚を機に逗子・葉山を離れる20代の転出者が多いことが挙げられ、この年齢層の方々に地元逗子・葉山に住み続けてもらえるような魅力あるまちをつくることが、この問題を解決する鍵の一つになるのではないでしょうか。
そこで、逗子葉山青年会議所では、現在小学生である子どもたちをターゲットとし、10~20年後の未来、その子たちが住まいを決める際に「やっぱり逗子・葉山で暮らしたい」と考えてもらえるような、魅力あるまちづくりをしていきたいと考えています。
近年の逗子葉山青年会議所では、秋の逗子海岸をキャンドルアートで彩る「Zushi Beach Candle」や、ハロウィンに地元商店街を仮装した子どもたちが回る「HAPPY HALLOWEEN FESTIVAL」といったまちづくり事業を継続的に開催し、まちに定着しつつある事業を作り上げてきました。
本年度は、これらの事業をさらに進化させた上で開催するとともに、葉山町においても、これらの事業と並び将来逗子葉山青年会議所を代表するようなまちづくり事業を開催することで、子どもたちが将来も住み続けてもらえるような、魅力あるまちづくりに貢献していきたいと考えます。
【未来に向けた持続可能な組織づくり】
現在の逗子葉山青年会議所は、会員数減少に歯止めが効かず、創設以来最も少ないと思われる会員数で、60周年の節目を迎えることとなりました。
会員数の減少は逗子葉山青年会議所のみならず、全国の青年会議所共通の問題となっています。様々な要因が考えられる中、近年価値観や働き方が多様化してきたことに伴い、これまでのJCの姿として定番だった、厳しい体育会系的な組織運営が時代に沿わなくなってきていることも、会員数減少の要因の一つではないかと考えています。
今後、青年会議所が存続、発展していくためには、これまで培ってきた伝統を大切にしつつも、メンバーそれぞれの考え方、生き方をお互いに尊重しながら、必要に応じて積極的に組織の在り方を変化させる柔軟な組織づくりが不可欠であると考えます。
本年度の取り組みとして、年会費の減額、オンライン会議の積極利用、総務業務のDX化、法人運営ノウハウのナレッジ化等、新たな手法を柔軟に取り入れた持続可能な組織づくりを行ってまいります。
また、組織の多様化推進の取り組みの一つとして、本年度から40歳以上45歳未満の方を対象とした特別賛助会員制度を設立し、より多くの方に逗子葉山青年会議所の活動に参画いただける仕組みを導入します。
60周年の節目に、これまで以上の積極的な会員拡大活動を実施するとともに、新たな制度を活用しながら多彩な人材を集めることで、未来に向けた多様性に満ちた持続可能な組織をつくりあげるための基礎を構築してまいります。
そして、逗子葉山青年会議所の活動に参画いただいた全員が、JC活動を楽しみ、かけがえのない仲間と体験を得ることのできる組織を作り上げてまいります。
【結びに】
私は2016年11月に入会して以来、止まることのない会員減少やコロナ禍での活動自粛に翻弄され、変化していく逗子葉山青年会議所の姿を目の当たりにしてきました。
わずかな会員しかいない現状から、逗子葉山青年会議所が地域で果たす役目を終えるときが間近に来ていると考える人もいるかもしれません。
しかし、会員数が一桁台となった状況であってもインパクトのある事業を作り上げることができ、逗子葉山と仲間のために活動したいという熱い想いを持ったメンバーがいる逗子葉山青年会議所には、まだまだ地域に貢献できるポテンシャルと可能性があると、私は確信しています。
最小の会員数で迎える本年度は、まさに逗子葉山青年会議所の存在価値が問われている一年であります。60年のレガシーを、絶やさず、未来の地域とLOMに伝えるべく、メンバーともに邁進していく所存です。
1年間、どうぞよろしくお願い申し上げます。